これまでに作ったナイフと「犀」ついでにタンザニアサファリの写真

昨年度3本ナイフを作らせてもらいましたが、ここで紹介しようと思います。

1本目 ナイフショーで依頼されたもの

2021年10月に開催されたJKGナイフショーでアウトドア用の短いナイフを依頼され製作したものです。

バトニングとよばれる、ナイフの背を棒で叩いて、薪を細かく割っていく作業に使用できるよう、厚めの刃厚(5mm)で製造しました。

柄は黒檀を、鞘は朴の木にしました。

朴の木は刃物がさびにくく、鞘に最適とのことです。

ナイフ本体が鞘から抜け出さないようする機構にはピンを鞘に差し込む方法を採用しました。

※下の画像の白い紐がついているのが抜け防止用のピン

2本目 同級生からの依頼

大学の同級生から依頼されて作ったものです。

次に出てくるナイフ、犀の原型となったものです。

この段階ではまだ柄に小指をかける窪みが見受けられます。

柄はウォールナットで杢が出ていてきれいですね。

独自デザインナイフ「犀」

こちらのナイフは、ナイフの作り方と機能を考えてデザインをしたものです。

ナイフ本体全体像
鞘に収まった状態

まず柄の形状として、多くのナイフはひとつ前のナイフと同様小指を掛ける窪みが柄の末端に付くものですが、アウトドアで使用する際に振り回すことはないと考え、窪みはなくしました。※下図参照

次にナイフ本体の形状ですが、これはいわゆるクリップポイントと呼ばれるものです。

なぜこの形にしたかというとナイフを作る工程によるものです。

師匠がナイフを作る際は、刃先から峰まですべて鋼が入っています。

このナイフには刃先から中央部分までしか鋼を入れていません。(下図左参照)

この状態のまま、ナイフの形状を削りだしてしまうと切先部分の鋼はほとんど削り取ってしまうことになります。

そのため、下図左の状態から、鎚で切先を曲げていくことで、下図右のように切先までしっかりと鋼が入った状態にすることができます。

そもそも師匠のように刃先から峰まで鋼を入れれば切先を曲げる必要はないのですが、幅の広い鋼があまりないなどの諸事情があります。。。

叩いて整形しているため、峰側には鍛造痕をそのままにしています。(下図参照)

この画像の鍛造痕は少し汚いですが、今後はもう少しきれいな形になるようにしていきたいと思っています。

鞘は抜け防止にロック機構を付けました。

ゴム紐でロック部品を抑えて固定しているのですが、あまりかっこよくなかったです。。

ゴム紐にしたのは、利便性を考えてのことだったのです。

ここで説明するのは手間なので、もしご興味があれば展示会などでご覧ください。

次回はばねを内側に仕込んで見た目がスッキリするように作ろうと思います。

犀という名前の由来

犀と名付けた理由は青年海外協力隊でタンザニアにいたときに見た犀のように見えたからです。

すごく遠かったので小さくしか写ってないですね。

よく見るとそんなに似てないんですが、どてっ腹に角が生えてる感じがイメージとして残ってたので、似てるということにしてます。

犀の写真を探したついでにタンザニアのサファリに行ったときの写真をみつけたので、ついでに紹介します。