たがねを作りました。

こんにちは。似鳥です。

与板に来て早一か月が経ちました。
あっという間ですね。
TV(新潟総合テレビ、テレビ新潟、NHK)や新聞(新潟日報)に何度か取材していただき、街中で声を掛けられることが多くなってきました。
とてもうれしいことですが、街で下手なことができません。笑

1か月が経ち、いろいろなことをやらせてもらっているのですが、このHPを作成するのに時間がかかり、時系列通りにブログが書けませんでした。
今後しばらくは過去の回顧の形で皆様にお伝えできればと思っています。

さて修行のほうですが、恐らく順調に進んでいるものと思います。
師匠はとても優しく、時に厳しく(怒鳴られたりはしませんが)教えてくれています。

今現在は鉋も作っていますが、一番最初はハンマーに慣れるため“たがね”を作りました。

たがねとは

たがねは細長い棒上の金属で、先端が三角などの形状になっており、ハンマーで打ち付けることにより、金属に溝を彫る道具です。この加工を彫金といいますが、鉋では銘を彫るのに使われます。(※最近は油圧プレスで刻印を打つことのほうが多いですが。。。) ちなみに我が師匠の有名な鉋“知足”は師匠自らが彫っています。

たがねを作るには鋼材を加工して細長い角棒にしたのち、グラインダーで成形する。その後たがねの先端部分のみを焼き入れ・焼き戻しを行います。焼き入れすることにより鋼の硬度が上がりますが、先端部分にのみ焼き入れを行うのは先端の反対側は手鎚で叩くため、焼き入れをしていると割れてしまうからという理由らしいです。

実際に鍛造してみた。

 さてこのたがねは鋼を加工して作られますが、まずは角棒のハイス鋼(ハイスピード鋼の略。硬すぎるらしく、鉋には用いられない)を使って鍛造してみることになりました。

ハイス鋼を鍛造してみたものの、途中で割れてしまいました。。。

割れたハイス鋼。。。

割れたのが上の画像の中心から左側だけで、右端には達していなかったので一応右側だけは作ることができました。

その後もう一度チャレンジしてみたところ、何とか形にできましたが、菱形にゆがんでしまいました。。。

右が元の素材、左が鍛造したもの。

あまりうまくいかなかったのを見かねた師匠が、板材のSUJ2(軸受け用の鋼)、丸棒の白紙を使わせてもらいました。丸棒は加工しやすかったですが、板材はだいぶ叩きのばさなくてはいけなくて、なかなか大変でした。

白紙という鋼材
SUJ2という鋼材

細長い角棒にした後はグラインダーでたがねの先端形状をつくりますが、それに関しては次回の投稿に書こうと思います。

ちなみに後で調べたところ、失敗したハイス鋼は鍛造するときの温度が他の鋼材に比べてだいぶ高くしなくてはいけないようでした。。。もう少し師匠の話を聞いていればよかったなと反省しています。

それでは。