戒めのセン掛け

こんにちは。似鳥です。

最近の鉋づくりの話です。

鉋づくりは10枚から20枚ほどを1ロットとして作っており、今は5ロット目の製造をしています。

これまでの修業で、形状に関していえば火造り(ハンマーで叩いて形をつくる加工のこと)だけで左右の厚みはほぼ同じにできるようになってきたかなと思っています。

時間はかかりますが。。。

次の課題は鉋の表と言われる、鋼がついていない側の面の形状をきれいな円弧状にするということにしています。

この円弧をフライス盤で加工したり、グラインダーで削りだしたりしている鍛冶屋さんもあるのですが、水野鉋製作所では火造りで作ります。

師匠は火造りだけできれいな円弧を作ることができるのですが、私はまだきれいな円弧を作れていないのでセンと言われる道具で地道に削っています。

Youtubeに動画を載せました。

センは硬い鋼でできているので鉋の地鉄を削ることができます。

さて、私が火造りした鉋を少しだけセン掛けするとこのようになります。

中央よりわずかに左側が削れているのが見て取れます。

これにセンを当てた状態で、その隙間をのぞいてみるとこのような感じになっています。

丸を付けたところだけが光が透過していないので、ここが接触して削れているということになります。

他より少し高くなってしまっているということなので、きれいな円弧じゃないということになります。

火造りでうまく円弧形状を作れなかった戒めをこめて5ロット目の鉋はすべてきれいにセン掛けすることにしました。

引き続き修行頑張ります。