前回、今年度使用させていただいている補助金の説明をしました。
その中で「毎月鉋を20枚製造する」という育成計画がありました。
その進捗具合を報告いたします。
評価基準
この練習では、ただ20枚製造しても上達するスピードはそれほど速くないと思われるので、毎月目標を立て、評価していくことにしました。
評価の基準は以下の4点です。
・鍛接具合
・寸法(厚み・勾配・左右のバランス等)
・裏の形状
・顕微鏡検査(組織の微細化ができているか)
各評価の細かい判定基準はここに書いても仕方がないので割愛します。
練習内容
毎月20枚製造する際の内訳は寸八:10枚、寸六・寸四:各5枚としました。
鋼は現在でも入手性の良い白紙2号、地金は極軟鋼を用いています。
白紙2号は厚い状態(6mm)ですので、自分で鋼を延ばしてから鍛接していきます。
1回目(第21ロット)
1回目はいつも通り製造し、評価することにしました。
これまでの練習では青紙1号を使用していましたが、今回は白紙2号ですので、自分で鋼を延ばして鍛造しました。
延ばした鋼はこのような状態です。
横幅がバラバラでまだきれいに伸ばせていないことが分かります。
出来上がったものが以下の写真です。
結果は以下の通りです。
※一番右端が総合判定です。
製造成功率は1/20 (5%) とさんざんな結果でした。
厚みのNGも多いですが、鍛接のNGが多いのが目立ちます。
青紙1号を使用している際はここまで鍛接不良はないので、鋼の延ばし方に問題があるかと考えました。
2回目(第22ロット)
1回目の鍛接不良の原因と思われる鋼の延ばし方を工夫して鍛接しました。
また厚みに関しては頭の部分の厚みが足りなかったので、叩き方に気を付けて鍛造しました。
※のちに目標値を薄めに変更したのですが、これで厚く残す練習ができました。
結果は以下の通りです。
製造成功率は5/20 (25%)と、前回よりはだいぶ改善されました。
鍛接NGが前回の8枚から4枚に半減しました。
鋼延ばしの工夫により改善されたようです。
厚みに関してもNGが少なくなりましたが、寸四(製造番号16~20番)はすべてNGでしたが、これは頭側の厚みが足りなかったためです。
反省点として、まだ鍛接NGが多く、厚み・左右の寸法差での改善が必要です。