一時は300軒を数えた与板町の鍛冶屋も次々と廃業し、今や鍛冶屋は10件ほどになってしまいました。
1人目の後継者、島田
現在後継者となるべく、地域おこし協力隊(※1)の制度を利用して2017年から与板に島田さんが来ました。現在は中野鉋製作所で日々修行に取り組んでいます。
※1:2020年からは長岡市の伝統工芸後継者育成支援事業補助金を利用。
後継者育成プロジェクト始動
さらに島田さんのほかにも後継者を育てようと、長岡市の「地域の魅力向上と課題解決」を目的とする市民団体さんと、越後与板打刃物組合の3名の職人(水野清介、小森秀樹、小森正樹)さんが協力して後継者育成プロジェクト“越後与板打刃物伝承会”がスタートしましたが、諸事情により初回は水野清介さんのところで弟子1名を受け入れる方針となりました。
このプロジェクトは弟子には長岡市の伝統工芸後継者育成支援事業補助金(15万円/月)が支給され、弟子に教える職人の方にも経済産業省の補助金を利用し、弟子への指導により下がった収入を補助することができ、職人・弟子共に指導・修行に集中することができる日本初の試みとなりました。
今回のプロジェクトでは2020年6月から弟子の募集・体験会兼選考会が行われ、10件以上の問い合わせと、8名の応募・参加がありました。
体験会では参加者1人ごとに実際に与板町に来てもらい、水野鉋製作所にて3日間で鉋製作を体験してもらいました。
その後、参加者の中から北海道出身の似鳥透(31歳)が選ばれ、2020年10月1日より修行を開始しています。
未来に向けて
補助金の関係上最長5年の指導になるため5年以内に似鳥は一人前となり独立する必要があります。これまでの一人前になるには10年、20年かかるといわれていた徒弟制度における”見て覚える”やり方とは異なり、”職人が直接指導する”やり方で5年で一人前になるよう迅速な育成を行います。
この育成には弟子が使用する休憩所建設のためなどに新潟県のふるさと納税を利用したクラウドファンディングなどを使って資金調達も行っています。この取り組みに何卒ご協力お願いいたします。