伝統的工芸品として

越後与板打刃物を支えてきた人々の努力の成果によって昭和61年3月12日、鑿(のみ)、鉋(かんな)、鉞(まさかり)、釿(ちょうな)が経済産業大臣から伝統的工芸品の指定を受けました。

越後与板打刃物が伝統的工芸品であるためには次の各条件が必要であるとしています。※当時、通商産業省に提出した申請書の資料からの情報

1.素材は「鉄と炭素鋼」で「炉で熱する」こと。「鎚打ち」による鍛接である事。
鑿は「炭素鋼が小端を包み込む」ようにする事。
「生地」を用いる鉋では「二枚付け」にする事。

鉋の一枚付け
鉋の二枚付け
炭素鋼が小羽を包み込む

2. 成形は、「刃物鋼を炉で熱し、鎚打ちによって打ち延ばし、打ち広げ」をすること。

3. 鉞の全体接合は「合わせ付け」にする事。

鉞の合わせ付け

4. 釿の「いぼ」と「ひつ」の接合は「胴締め」による事。

胴締めの工程

5. 鑿・鉋の焼き入れは「泥塗り」を行い、「急冷」する事。

6. 「刃付け」・「研ぎ」及び「仕上げ」は「手作業」による事。

最後に、製造する地域は「三島郡与板町」(現在の長岡市与板町)であることが指定要件である。